シモーヌ

I n t r o d u c t i o n

　究極の美貌と演技力で世界中を虜にした完全無欠の女優が、実はＣＧだったことから巻き起こる騒動を描いたコメディ。落ちぶれた映画監督が、ひょんなことから手に入れたＣＧソフトで完璧な女優を創造するが、予想以上の人気を得てしまったことで秘密を隠しきれなくなっていく。監督・製作・脚本は「ガタカ」のアンドリュー・ニコル。主演はアル・パチーノ。完全無欠のＣＧ女優“シモーヌ”を演じるのはスーパーモデルのレイチェル・ロバーツ。

上映時間：　１時間５７分
制作国　：　アメリカ　２００２年
日本公開：　２００３．９．１３
原　　題　：ＳＩＭＯＮＥ
ジャンル：　ドラマ／ファンタジー／ＳＦ

Profile of Hero／Heroin

　
Al Pacino
　１９４０年ニューヨーク生まれ。　６７年に舞台デビュー。　映画は６８年に『ナタリーの朝』でデビューし７１年の『哀愁の街角』で初主演。　７３年『セルピコ』でゴールデングローブ賞、７４年『ゴッド・ファーザーＰａｒｔⅡ』、７５年『狼たちの午後』、７９年『ジャスティス』でアカデミー賞にノミネートされる。　主な出演作は９０年『ディック・トレーシー』、９２年『摩天楼のを夢見て』、９６年『訣別の街』、９７年『フェイク』、『ディアボロス』、９９年『エニイ・ギブン・サンデー』、００年『インサイダー』

　　　　　　　　　　　　　　　　

Rachel Roberts
　１９７８年カナダ、バンクーバー生まれ。　本作「シモーヌ」が発の映画出演にしてハリウッド映画の主役を射止めた、まさにシンデレラガールである。１６歳でモデルデビュー。パリ、ロンドン、ＮＹを活動拠点として有名ファッション誌の表紙を飾るスーパーモデル。ラルフ・ローレン、フェンディなどの人気ファッション・ブランドにもモデルとして登場する売れっ子だが、新たなるキャリア＝女優を目指してニコール・キッドマンの個人演技指導クラスに契約して演技を学ぶ努力家でもある。

The Director

監督のアンドリュー・ニコルは１９６４年ニュージーランド生まれ。　ロンドンでコマーシャル監督としてキャリアをスタート。やがてロスアンゼルスに進出。長編監督デビュー作は、９７年の「ガダカ」、続く９８年の「トゥルーマン・ショー」の脚本を担当、この作品はアカデミー賞脚本賞候補の他イギリス・アカデミー賞を受賞。

Production Note

映画「トゥルーマン・ショー」の脚本や「ガタカ」で知られるアンドリュー・ニコル監督の新作「シモーヌ」。落ち目の映画監督がフルCGの女優を使って再起を図るという物語。軽快なストーリー展開が楽しい良質なエンターテインメント作品だ。
『トゥルーマン・ショー』では、斬新なアイデアを笑いと風刺に包んだ脚本でアカデミー賞脚本賞にノミネート。監督デビュー作『ガダカ』では、遺伝子の優劣で将来が決まる未来像を描き、世界を驚かせたアンドリュー・ニコル。

　彼が描くのは常に「５分先の未来」だ。マスコミの暴走、神の領域に踏み込んだ科学技術など、いずれの作品も現在進行形の問題を、無限の想像力でオリジナリティ溢れる物語に昇華させた。そんな彼が今回取り上げた舞台は、“ハリウッド”。華やかさの一方にある、行き過ぎたスター崇拝と、虚構に満ちたマス・カルチャーを彼独自の斬新な方法で風刺してみせた。
　「一番難しかったのは、シモーヌ役の女優を探すこと。完璧(かんぺき)な美人で演技ができて、おまけに無名じゃないとリアリティーがない。ようやくレイチェルが見つかったんだよ」とニコル監督。よっぽどレイチェルが気に入ったらしく、現在、彼女は監督の妻だ。
　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）

鑑賞後の一言
　　ＩＴの進化によってＣＧで作られた女優が映画に出演。　こんなストーリーも今ではあり得ることではあるが、さすがにまだそこまでのＣＧではなく、本物の女優がＣＧ的な演技をするこの映画は、コミカルでもあり、犯罪（ストーリーの中で）でもある。　この映画の印象は、なんと言ってもＣＧ女優役の映画初出演のレイチェル・ロバーツのスタイルの良さと透き通るような美しさで、男性である私を魅了してくれた。　スタイルの良さと美しさはスーパーモデルとしての実績から当然のことであるが、次回は本物の役としての出演作を観てみたい。