ヒーロー

Profile of Hero／Heroin

　
Jet Li
　１９６３年、中国生まれ。わずか11歳で中国武術大会の5種目で１位となり、79年まで連続優勝を果たし、”中国武術界の至宝”と呼ばれる。82年、『少林寺』で映画デビュー。日本でも大ヒットを果たし2本の続編も大ヒット。９２年、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地額明』に主演、またしても大ヒットを記録し、人気・実力ともにアジアのトップ・アクション・スターとして君臨、ハリウッドからも注目され、９８年、『リーサル・ウエポン４』でハリウッド・デビューを飾る。メル・ギブソンと共演したこの作品で、アメリカでの人気も急浮上、『ロミオ・マスト・ダイ』（00）で、ハリウッド映画2作目にして主演を果たす。

　　　　　　　　　　　　　　　　

Zhang Ziyi
　１９７９年北京生まれ。先ごろ世界でもっとも美しい５０人の一人に選ばれた。２０００年の「グリーン・デスティニー」の全米大ヒットの効果もあってハリウッドからの出演依頼が絶えない。ただいま英語を特訓中で当分は英語をしゃべる役は遠慮するつもりとか。ラッシアワー２でも北京語しかしゃべらない彼女だがそれがかっこいい。９９年に「初恋のきた道」のヒロインに大抜擢された。北京の中流家庭の出身で父親は経済官僚。１１歳から６年間民族舞踊とモダンダンスを学ぶ。

The Director

監督のチャン・イーモウは1950年、西安で生まれる。元々画才があった彼はカメラにとても興味を持ち、北京電影学院の撮影科へ入学。1982年に卒業、中国南部の辺境、南寧にある広西映画製作所に配属され、そこで同級生だったチャン・チュンチャオらと共に青年班を結成。『一人と八人』（1984年／監督：チャン・チュンチャオ）の撮影を務め、これが高い評価を受ける。次に北京より同級生のチェン・カイコーを呼び『黄色い大地』（1984年／監督：陳凱歌）を製作。世界を大震撼させたこの衝撃の作でも撮影を担当し、金鶏賞最優秀撮影賞を受賞した。ここが第五世代の始まりである。また、『古井戸』（1987年／監督：呉天明）では俳優として金鶏賞主演男優賞を受賞、同年に初監督した『紅いコーリャン』で同賞の最優秀作品賞を受賞、ダブル受賞となった。

Production Note

圧倒されるアクション・シーンやCGによる迫力ある映像など見どころは数多く存在する中、本作をより印象的にしているのは色によるストーリー展開である。監督チャン・イーモウによると各色にはそれぞれ意味がある。　神秘を表す【黒】、激情と嫉妬を表す【赤】、ロマンを表す【藍色】、そして、回想を表す【緑】、最後に真実を表す【白】

多くの武侠映画が、アクションに偏り筋立てを犠牲にしがちなのに対し、本作はテーマと物語とアクションの３者が見事に融合されている。３人の恐るべき刺客を倒したという無名が秦の国王の元を訪れ謁見と報償を許され事の次第を説明するのだが、その裏にある真実が次々とあかされるミステリアスな構成で、３つの異なるストーリーが語られてゆく。これらのストーリーをそれぞれ赤、緑、白と無３つのカラーを基調に俳優の衣装からセットにまで徹底して表現したところに監督の着想の妙があり、アーティスティックなカメラワークが発揮されている。
　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）

鑑賞後の一言
　　西のマトリックス、東のヒーローと並び称されると言われるワイヤーアクションとカンフーそしてＶＦＸを駆使した映像表現はどちらも共通点が多い。　中国大陸の大きさをイメージするようにスケールの大きな感覚を与えながらも、物語は静かに、ミステリアスに進行していったが、印象に残るのは、プロダクションノートにも書かれているように、３つのストーリーにそれぞれに異なった色遣いと映像表現された美しさ、そして中国のどこだか解らないが、山に囲まれた湖での美しい景色。　また限られた登場人物の中で、おなじみのチャン・ツィイーもそうだが、もう一人のマギー・チャンという中国の女優がまた美しかった。　とにかくストーリーよりも美しい映像が堪能出来る作品。