ダンサー・イン・ザ・ダーク

I n t r o d u c t i o n

セルマは歌う。　命より大切なもののために。　
あの子にだけは、孫の顔を見て欲しい。　それだけが私の人生で大事なの。

６０年代、アメリカの片田舎。　チェコからやってきたセルマは女で一つで息子ジーンを育てながら工場で働いている。　母子二人のつつましい暮らしだが、工場の同僚で、彼女に保護者のような愛情を注ぐ年上の友人キャシーや、トレーラーハウスを課してくれている親切な警察官のビルとリンダ夫妻、セルマに好意を寄せてくれるジェフら隣人たちの暖かい友情に包まれていた。セルマには悲しい秘密があった。遺伝性の病気の為、彼女は視力を失いつつあり、息子ジーンも手術を受けない限り同じ運命をたどることになる。　セルマはジーンの手術代を稼ぐ為、工場で働くほかに内職もして、毎日のわずかな稼ぎを密かに貯めていた。そんな日々の中、セルマの雄一の生きがいはミュージカル。　アマチュアの劇団でミュージカルの稽古をしたり、仕事帰りにミュージカル映画を観るのが何よりの楽しみだった。ある夜、セルマは隣人のビルから破産しそうだと言う相談を受けビルに同情して自分の秘密を教えるセルマ。　二人は互いの秘密を守る約束をするが・・・・。

C a s t & S t a f f

Ｃａｓｔ／　ビョーク　　　　　　　　　 (ミュージカルが好きな盲目の女性　セルマ)

　　　　　　カトリーヌ・ドヌーブ　　　(セルマの友人　キャシー)

　　　　　　デビッド・モース　　　　（セルマの隣人で警察官のビル)

　　　　　　ピーター・ストーメア　　(セルマに恋する男　ジェフ)

　　　　　　ジョエル・グレイ　(セルマが好きなミュージカル俳優　オールドリッチ・ノヴィ)

　　　　　　
監督／　ラース・フォン・トリアー

音楽／　ビョーク　　　

Profile of Hero／Heroin

　
ビョーク
１９６５年アイスランドのレイキャビック生まれ。ギタリストの継父の下、幼少から音楽に触れる。　２歳の時にミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」を見て、５歳で音楽学校に通い、ピアノやフルートを習得しながら基礎知識を学ぶ。１１歳の時にレコード契約しアルバム「ビョーク」発売。その後パンク･ブームに乗り、いくつかのバンド結成。　９３年ロンドンに移住してソロアルバム「デビュー」で２５０万枚のセールスを記録。９６年武道館ライブ、９８年Ｆｕｊｉ　Ｒｏｃｋフェスティバルに来日。　「ダンサー・イン・ザ・ダーク」では音楽だけ担当する予定が監督の申し出により主人公役を引き受けた。

Production Note

ドグマ95はデンマークの映画作家たちが提唱している映画運動。　オールロケ、手持ちカメラ、自然光による撮影といった戒律を宣言し、かつてのシンプルな撮影方法に回帰した映画製作を行う。　「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ではミュージカル場面意外の撮影はドグマに基づいて撮影されている。

　
　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）