マイビッグファットウェディング

I n t r o d u c t i o n

　低予算ながら口コミで広がり全米で思わぬロングラン大ヒットを記録し話題となったロマンティック・コメディ。ギリシャ系の家庭に育つ冴えない女性が非ギリシャ系のアメリカ人男性と結婚することになったことから、その強烈なカルチャーギャップが巻き起こす騒動をユーモラスに綴る。主演のニア・ヴァルダロスが自身の体験を基に自作自演した一人芝居がトム・ハンクス夫妻の目に止まり、彼らのバックアップで映画化が実現。
　ギリシャ系アメリカ人のトゥーラは、内気な性格と冴えない容姿のせいか、恋愛に縁のない冴えない毎日を過ごす独身30歳。“ギリシャ人の男性と結婚して、ギリシャ人の赤ちゃんを産み、死ぬまで家族の食事を作ること”がギリシャ女性のすべきこととされる世界にあってこれは一大事。ギリシャ料理レストランを営む両親にとって娘トゥーラの結婚は今や最大の心配の種。ところがある日、父のレストランで働いていた彼女は、店にやって来たハンサムな男性に一目惚れしてしまう。これをきっかけに、トゥーラは一念発起、これまでの自分を変えようと決意する。

上映時間：　１時間３６分
制作国　：　アメリカ　２００２年
日本公開：　２００３．７．１９
原　　題　： MY BIG FAT GREEK WEDDING
ジャンル：　コメディ／ロマンス

Profile of Hero／Heroin

　
Nia Vardalos
　1986年から1995年まで、才能ある俳優としてシカゴの有名な“セカンド・シティ”劇団に所属した彼女が、即興コメディー劇団員になる道は異例のものだった――始まりはチケット売場だったのだ。ニアは劇団の一員になりたいと思っていたが、1980年代の終盤に、トロントの劇団のチケット売場で職に就いた。出演者の一人が開幕10分前に病院に急送されたとき、彼女は舞台裏に行って、プロデューサーたちに芝居は完ぺきに頭に入っていると告げた。満席の観客を目の前にしたプロデューサーたちは、一か八かチャンスに賭けてみることにした。翌日、彼女は才能ある劇団の一員として迎え入れられた。
　2年間、そのカナダの劇団に所属した後、シカゴの“セカンド・シティ”劇団に加わり、そこで6年以上にわたって舞台で活躍した。シカゴのキャストと舞台を務める間に、同僚俳優のイアン・ゴメス（TV「The Drew Carey Show」「フェリシティの青春」）と知り合って結婚。2人は一緒に、映画とテレビの機会を求めて思い切ってロサンゼルスに移った。ニアは「Two Guys and a Girl」「Common Law」「The DrewCarey Show」「Boy Meets World」「It’s Like, You Know」といったシリーズにゲスト出演の役を得た。映画は、『Men Seeking Women』、『Meet Prince Charming』に出演した。
　　　　　　　　　　　　　　
John Corbett
　ウェストバージニア州ホイーリング生まれのコーベットは、人気テレビシリーズ「Northern Exposure」のレギュラーの哲学者気取りのディスクジョッキー、クリス役がよく知られている。最近は、HBOの「Sex and the City」でサラ・ジェシカ・パーカーの恋の相手エイダン役を演じた。　出演したテレビ映画には、「The Sky’s On Fire」、「ホスタイル・グラウンド」などがある。出演映画には、『イントルーダー　怒りの翼』（90）、『ボルケーノ』（97）、最近公開されたピーター・チェルソム監督『セレンディピティ』（01）などがある。今後公開される映画には、ビル・フィッシュマン監督『My Dinner with Jimi』、ボブ・ジラルディ監督『ディナーラッシュ』がある。

The Director

Production Note

500万ドル（約6億円）という超低予算で製作されたこのインディペンデント映画は、昨年4月、細々と一部の都市で限定公開された。ごく小さな新聞広告が出るくらいで、テレビコマーシャルも特別のプロモーションも何もなかったにも関わらず、この作品は観客の口コミでロングランを続け、昨年末までに、その売り上げはなんと2億ドル（約238億円）に到達した。ちなみに、昨年アメリカで公開された映画で、この映画以外に2億ドルという数字を達成したのは、『スパイダーマン』『スターウォーズ・エピソード2：クローンの攻撃』『オースティンパワーズゴールドメンバー』『サイン』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』の6作品のみ。

　このヒットが業界を驚かせた理由は、映画製作のエキスパートたちをしても、誰もこの映画が当たるなどとは、まるで予測もしなかったからである。有名なスターは出ていないし、突出したコンセプトでもない。スタジオ側にとっては、「どう売っていいかわからない」作品なのだ。毎週のようにたくさんの映画が公開されるアメリカだけに、一般の関心を引き付ける何か強い要素がないと、人は見に来てくれない。この作品には、それが何もないのである。

トロントでロケーション撮影を行った『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』は、同都市に数多く住んでいるギリシャ系住民の助けを借りた。彼らの多くは、青緑色のシフォンとペティコートで膨らませたドレスに彩られたはちゃめちゃな結婚式シーンのエキストラを買って出た。そして、このお祭り騒ぎに参加するためにウィニペグやそれより遠方から集まってきたニアの親戚も加わったのだ。

　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）