運命の女

I n t r o d u c t i o n

　オスカー候補にあがった「危険な情事」をはじめ、時代と呼応するセクシャルな作品を次々と世に送り出し、世界にセンセーションを巻き起こしてきたエイドリアン・ライン。彼がリチャード・ギアとダイアン・レインを主演に迎えて放った「運命の女」は不倫という古典的な題材をライン流のスタイリッシュな味付けで料理した話題作。

ニューヨークの郊外で何不自由ない生活を送るエドワードとコニー。ある日、コニーは若く魅力的なフランス人のポールと出会い、情事にのめりこんでいく。罪悪感を覚えながらもその誘惑に逆らえないコニー。妻の裏切りを知り、嫉妬と愛の狭間で苦しむエドワード。　ふたりが繰り広げる心の葛藤を鮮やかに描きながら、衝撃的な展開で見る者を圧倒する官能と背徳のドラマ。

上映時間：　2時間４分
制作国　：　アメリカ
日本公開：　2003.1.11
原　　題　：　UNFAITHFUL

Profile of Hero／Heroin

　
Richard Gere

　１９４９年フィラデルフィア生まれ。　ハリウッドを代表する人気俳優として９０年『プリティー・ウーマン』、８２年『愛と青春の旅立ち』、９６年『真実の行方』、９７年『ジャッカル』など数多くのヒット作に出演。　スクリーンデビューは７５年『ニューヨーク麻薬走査線』その後はアカデミー賞を受賞した７８年の『天国の日々』、そして８０年の『アメリカン・ジゴロ』で任期を決定的なものにした。　００年『オータム・イン・ニューヨーク』
　　　　　　　　　　　　　　

Diane Lane

　６歳の時から演技の勉強をして舞台に出演。８歳の時にヨーロッパ公演に参加。７９年「リトル・ロマンス」で映画デビュー。当時は天才スターの誕生と高い評価を受け、アイドル的な人気も得た。その後８３年に「アウトサイダー」でコッポラ監督と出会い、「ランブルフィッシュ」、「コットンクラブ」と立て続けに彼の作品に出演して、名実共にスターへの道を登って行く。そして８４年、「ストリート・オブ・ファイヤー」でカリスマ・ロックスターを演じて絶賛を浴びた（歌は吹き替え）。以降は作品にも恵まれず、久しぶりに出演したヒット作「パーフェクトストーム」でもあまり話題にはならなかった。
　

The Director

　監督のエイドリアン・ラインは広告代理店Ｊ・ウォルター・トンプソンにメール・ボーイとして入社。ＣＭのアシスタント・プロデューサーを経て、７１年に自社「ジェニー・アンド・カンパニー」を設立する。ＣＭ製作の一方で、短編映画を何本か発表した後、８０年に劇場用映画「フォクシー・レディ」で監督デビュー。８３年の「フラッシュダンス」が大ヒットし、メジャー監督の仲間入りを果たした。８７年の「危険な情事」ではアカデミー賞にノミネート。ジョルジオ・モロダーなどの新感覚サウンドを採用し、光の明暗のコントラストを生かした演出方法が特徴で、８０年代きっての風俗作家と評された。
　　　　　　　　　　　　　　　

Production Note

　本作の撮影の大半は、マンハッタンとホワイト・プレーンズ郊外、ウェストチェスター・カウンティで行われた。　ラインのリアルさへのこだわりは、ロケ場所の選定にも表れている。エドワードとコニーのサマー一家が暮らすのは、ホワイト・プレーンズの4エーカーの土地に19世紀に建てられた農家。一方ポールが住むのは、ソーホーにある1フロアをすべてを使った本物のロフトである。「エドワード・サマーの世界とポール・マーテルの世界にはっきりと視覚的なコントラストをつけたんだ。サマーの世界は、完全な予定調和の中に築き上げられていて、安全装置や防犯チェーン、自衛の武器といったファミリーの安定を示すものが備えられている。一方ポールの世界は、自由の精神に溢れ、刹那的な行動の連続の上に出来上がっている。

　劇中には、ザ・ストランド書店、ヴィレッジ・イースト映画館、グランド・セントラル駅をはじめ、チェルシー、ソーホー、ウォール街、トライベッカなどのバーやレストランが登場するが、これらの場所も、N.Y.という街のダイナミズムをリアルに伝える重要な役割を果たしている。
　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）