トータル・フィアーズ

I n t r o d u c t i o n

　アメリカ本土での核爆発が引き起こした第三次世界大戦勃発の恐怖を、究極のリアリズムをもって描破したサスペンス巨編が誕生。全米で６００万部以上の売り上げを記録したトム・クランシーの大ベストセラー「恐怖の総和」の完全映画化。そして「レッド・オクトーバーを追え」、「パトリオット・ゲーム」、「今そこにある危機」に続く、”ジャック・ライアン”シリーズの最新作。

　アメリカ、ロシア、イスラエル、シリア、オーストリア。世界中に散らばる危険の火種が邪悪な企みのもとに寄せ集められた時、平和の微妙なバランスが崩れ去る。その一食触発の機器が高まっていく模様を、アメリカ本土での核爆発という未曾有の事態を中核に据え、壮大なスケールで描き出した本作は、緊張に次ぐ緊張が全編を貫くハイ・テンションのディザスタ・スペクタクル・ドラマである。

C a s t & S t a f f

　　ベン・アフレック・・・・・・・・・・・・・・・・　（ロシア情報分析官　ジャック・ライアン）

　　モーガン・フリーマン　・・・・・・・・・・　（ＣＩＡ長官　キャボット）

　　ジェームス・クロムウェル　・・・・・・　（合衆国大統領ファウラー）

　　フィリップ・ベイカー・ホール　・・・・　（国務長官　ベッカー）

　　　リーヴ・シュライバー　・・・・・・・・・　（ＣＩＡ工作員　ジョン・クラーク）

　　監督／フィル・アルデン・ロビンソン

Profile of Hero／Heroin

Ben Afflek

　１９７２年マサチューセッツ生まれ。弟は俳優のケイシー・アフレック。８歳から子役で出始める。９２年『青春の輝き』でマット・デイモンと共演で映画デビュー。９７年『グッド・ウィル・ハンティング／旅たち』の脚本をマット・デイモンと共同執筆し共演。９８年『アルマゲドン』、『恋に落ちたシェイクスピア』、９９年『恋は嵐のように』、『ドグマ』、００年『レインディア・ゲーム』、０１年『パール・ハーバー』

Morgan Freeman

　１９３７年米テネシー州生まれ。観客、批評家、俳優仲間からも敬愛される、いまやアメリカを代表する俳優の一人。　８７年の「ＮＹストリート・スマート」の演技で一躍注目され、アカデミー賞ノミネート。　主な出演作は９４年「ショー・シャンクの空に」、８９年「ドライビング・ミス・デイジー」、「コリオレーナス」ではオビー賞受賞。　９３年には「ボッパ」で映画監督デビューも果たす。　近作は０２年「ハイクライムズ」、「トータル・フイアーズ」

The Director

監督のフィル・ルデン・ロビンソンはニューヨーク州ロングアイランド生まれ。大学卒業後ＴＶ、ラジオの報道の世界に入る。ＴＶシリーズの脚本や多くの映画脚本を手がけ、脚本家組合賞ノミネートやショーウェスト･コンベンションの最優秀脚本家にも選出される。９２年に国連の難民高等弁務団にオブザーバー参加しソマリアとボスニアで救済活動を行い５本のドキュメンタリーを作る。

Production Note

　
　本作の主要部分の撮影は２００１年２月１２日、カナダのモントリオールでスタート。４ヵ月半にわたる撮影のあいだ、１００個以上のセットの建設と装飾を手がけ、ワシントン、ロシア、ウィーン、ウクライナ、ゴラン高原、ダマスカスへ変貌させた。クレムリンのセットには、モントリオールの各種の建物が利用され、また、この映画きっての複雑なシーンで、ハイライトとなるスーパーボウルの試合場場面は、３日間に渡り、モントリオールのオリンピック･スタジアムで撮影。核爆発が起こる場面の特撮に腕を振るったのは、「レッド･オクトーバーを追え」で映像グラフィック･デザイナーを務めたグレン・ニューフェルドが担当。最新コンピュータを使ったＣＧやあらゆる手法を駆使して恐怖のシーンを生々しく再現する映像を作り上げた。

鑑賞後の一言
　　原作をまったく知らずに観たが、主人公のジャック･ライアンを演じたベン･アフレックは３代目であった。初代が「レッド･オクトーバーを追え」のアレック・ボールドウィン、２代目は「パトリオット･ゲーム」のハリスン・フォード、そして３代目がベン･アフレックである。彼らの職業はＣＩＡ分析官。未然に防ぐ事が出来なかった核爆発も意外であったが、爆発後の被害の様子も悲惨なシーンはあまり見られず、核だけに描写しずらかったものと思われる。ロシアとアメリカの全面戦争勃発寸前での瀬戸際のやりとりによる緊迫感は観客を十分にひきつけたと思う。