サウンド・オブ・サイレンス

６月の映画－１　　「サウンド・オブ・サイレンス」　

I n t r o d u c t i o n

複雑に絡み合う謎、息をつかせぬ展開、タイム・リミットへと高まるテンション、そして親子の愛情――あらゆる要素を凝縮したサスペンス・アクションの新たな金字塔が誕生した。　2001年10月2日付けの全米週末興行成績で初登場No.1を獲得した本作は、全米探偵作家協会のエドガー賞を受賞したアンドリュー・クラヴァンのサスペンス『秘密の友人』が原作。ハリウッドを代表する俳優兼プロデューサーとして、25年以上も活躍を続けるマイケル・ダグラスの最新主演作だ。

ニューヨークで精神科医を開業しているネイサン（M・ダグラス）の一人娘が、感謝祭の朝に誘拐される。犯人の要求は、過去の記憶を封印しているネイサンの患者の少女から6桁の“ある番号”を聞き出すこと。タイム・リミットは午後5時。間に合わなければ幸せな家庭は消滅する──街の喧騒と裏腹のネイサンの孤独な戦いが始まった。

事件の鍵を握る少女エリザベスを演じるのは、「17歳のカルテ」でハリウッドの注目を集める新星ブリタニー・マーフィ。ネイサン医師の妻アギーには「Ｘ-メン」など多彩な出演歴を誇るファムケ・ヤンセン、誘拐犯のリーダー、コスターには「ゴールデンアイ」などの悪役で強烈な印象を残すイギリスの演技派ショーン・ビーンが扮する。また、ニューヨーク市警のサンドラ刑事に「サマー・オブ・サム」のジェニファー・エスポジート、エリザベスの主治医サックス医師役に「サイモン・バーチ」のオリバー・プラット、そしてネイサンの娘ジェシーに「サイダーハウス・ルール」でデビューした天才子役スカイ・マッコール・バーツシアクと、実力派から個性派、ベテランから期待の新人まで揃った豪華キャストとなっている。

C a s t & S t a f f

　　マイケル・ダグラス　・・・・・・・・・・・・・・・・　（精神科医　ネイサン・コンラッド）

　　ショーン・ビーン　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　（犯人グループ首謀者　コスター）

　　ブリタニー・マーフィ　・・・・・・・・・・・・・・・　（心を閉ざした少女　エリザベス）

　　ジェニファー・エスポジート　・・・・・・・・・・　（ＮＹ市警刑事　サンドラ）

　　ファムケ・ヤンセン　・・・・・・・・・・・・・・・・　（精神科医ネイサンの妻　アギー）

　　オリバー・プラット・・・・・・・・・・・・・・・　（精神科医　ルイス）

　　
　　監督／ゲイリー・フレダー

Profile of Hero／Heroin

Michael Douglas

１９４４年アメリカ･ニュージャージー生まれ。名優カーク・ダグラスの息子として知られる。大学卒業後助監督として映画界入りを果たすがすぐに俳優として活躍をはじめ６５年の「サンフランシスコ走査線」でデビューを果たす。以降８５年「危険な情事」、９７年「ゲーム」など数々のヒット作で主演を努め８７年「ウォール街」ではアカデミー賞の主演男優賞を受賞。また女優キャサリン・ゼタ・ジョーンズとの結婚でも注目を集めた。他に８９年「ローズ家の戦争」、９２年「氷の微笑」、９８年「ダイヤルＭ」、００年「ワンダー・ボーイズ」、０１年「トラフィック」。

Brittany Murphy

1977年ジョージア州アトランタ生まれ。映画は93年のアン・アーチャー主演の「家族の祈り」（V）をはじめとして、「DRIVE 破壊王」（96）などのアクションや、レイ・リオッタと共演した「フェニックス」（98）、コメディの「わたしが美しくなった100の秘密」（00）など、多彩な役を演じることのできるハリウッドきっての若手売れっ子女優。ヒット映画「クルーレス」（95）のタイ・フレイザー役で全米の注目を集め一気にブレイクした。最近ではウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリーと共演した「17歳のカルテ」（99）でのローストチキンしか食べられない少女デイジー役が印象深い。

Jennifer Esposito

1973年ニューヨーク市生まれ。70年代の中頃に起こった“サムの息子”による連続殺人事件に材をとったスパイク・リー監督の「サマー・オブ・サム」（99）でジョン・レグイザモ、ミラ・ソルヴィーノと共演、一躍注目を浴びる。そのほかの映画出演は、スパイク・リー監督の「ラストゲーム（98）、「ラストサマー2」（98）など。今後も、ジョージ・クルーニー、レイ・リオッタ共演、スティーブン・ソダーバーグ製作の“Welcome to Collinwood”、ヴァル・キルマー、ジェームズ・カヴィーゼル主演、“Princess of Paradise Park”など、新作が続々と待機している。

The Director

　監督のゲイリー・フレダー。　その名前が世に出たのは93年のこと。サンダンス映画祭で、ライトヘビー級ボクサーのフィル・パオリーナを描いたドキュメンタリーがプレミア上映された時のことだった。そして同じ時期に、初監督作品のHBOの“Tales From the Crypt”のエピソードの一つが、ケーブル・エース賞を受賞したのである。その後、アンディ・ガルシア主演「デンバーに死す時」（95）で長編映画の監督デビューを果たす。同作は処女作でありながら、95年のカンヌ国際映画祭でインターナショナル・プレミア上映されるという名誉を得る。続く作品は、ジェームズ・パターソンのベストセラー小説を、モーガン・フリーマン、アシュレイ・ジャドを主演に迎えて映画化した「コレクター」（97）。3作目では、フィリップ・K・ディックのSFショート・ストーリーを原作に、ゲイリー・シニーズ、マデリーン・ストウ主演による「クローン」（01）を撮り上げた。

Production Notes

ニューヨークを舞台にしたこの映画で、印象的な２つの場面がトロントで撮影された。そのひとつがブリッジヴュー病院。過日のテロ事件の際、医療基地にもなったニューヨーク大学付属病院をモデルにしたこの病院は、トロントの閉鎖された精神病院でのロケとなった。

そしてクライマックスの舞台となるハート島のシーンを撮影するために、トロントの工場内に４０００トン以上の土が運び込まれた。この工場内に出現した島には３８本の機が植えられ秋の気配をかもし出すため、絹で作られた芳賀一枚一枚まきつけられた。そして暖房がないこのセットの中で俳優たちの息が白く見えるようにと、噴霧器を使って湿度が極限にまで高められたのである。

　(以上プログラムより引用)