月の映画−1

鑑賞日: 2002.7.6
ワンス
フォーエバー


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兵士は戦争を始めたりしない。 戦争を始めるのは政治家たちだ。
兵士たちは戦い、そして死んでゆかねばならない。

I n t r o d u c t i o n 

「ワンス・アンド・フォーエバー」はベトナム戦争初期、イア・ドランの3日間の戦いに焦点を当て、彼ら兵士が−アメリカ兵もベトナム兵も−戦場で仲間を守り、家族や恋人を思いながら戦ったすべてを、そして残された人々が愛する人の帰りを待つと言うもう一つの戦いのすべてを描いた、ドラマティックな感動巨編である。

本作は、実際にこの悲惨な戦争を戦い抜いたハル・ムーア中佐自身と、カメラを持って前線に飛び込んで行ったUPIの戦地特派員、ジョー・キャロウェイの二人の共著である 「We Were Soldiers Once...and Young」をもとにした、紛れもない実話である。 このベストセラーノンフィクションに惚れ込んだ監督のランダル・ウォレスが、8年の歳月と多額の私財を投じ、自ら脚本、製作もかねて、完全映画化にこぎつけた。

今までの戦争を描いた作品と一線を画す、本作の最大の特徴は、まず、敵兵の戦闘や心情を描いている事である。 彼らもまたアメリカ兵と同じように、知将のもとで、恋人の写真を胸に戦っていたのだ。そしてもうひとつは、いつ届くか知れぬ戦士の知らせに怯えながら、夫や恋人の帰りを待つ妻や女性たちも、戦争に巻き込まれた犠牲者であったと言う事を描いている事だ。

 

C a s t  &  S t a f f

  メル・ギブソン ・・・・・・・・・・・・・・・・ (ハル・ムーア中佐)

  マデリーン・ストウ ・・・・・・・・・・・・ (ムーア中佐の妻 ジュリー)

  グレッグ・キニア ・・・・・・・・・・・・・ (ヘリパイロット クランドール少佐)

  サム・エリオット ・・・・・・・・・・・・・・ (ムーアの副官 プラムリー上級曹長)

  バリー・ペッパー ・・・・・・・・・・・・・ (戦地特派員 ギャロウェイ)

  脚本・監督/ランダル・ウォレス

 

Profile of HeroHeroin

 

Mel Gibson

 1956年ニューヨーク州生まれ。 12歳でオーストラリアに移住して演劇を学び、1977年『メル・ギブソンの青春グラフティ』で映画デビュー。 その後 「マッドマックス」で国際的な注目を集め、この作品はシリーズ化された。 また87年「リーサル・ウェポン」で大ブレイクの時を向かえ、同作を4作続くヒットシリーズに導いた。 そして81年「誓い」、83年「危険な年」、94年「マーヴェリック」、97年「陰謀のセオリー」まで様々なジャンルの映画で活躍している。 自ら主演し、監督、制作も努めた95年「ブレイブハート」ではアカデミー賞受賞。他の出演作は92年「フォーエバーヤング」、93年「顔のない天使」、99年「ペイバック」、00年「パトリオット」、「ハート・オブ・ウーマン」、02年『ワンス・アンド・フォーエバー』

Madelene Stowe
 1958年カリフォルニア州生まれ。ビハリーヒルズ・シアターにボランティアとして参加した事をきっかけに、女優の道を歩みだす。 78年TVデビュー。 88年には「張り込み」のヒロインで映画デビュー。 その後、90年「リベンジ」、「たそがれのチャイナタウン」、92年「ラスト・オブ・モヒカン」、「不法侵入」などに出演。93年の「ショー・カッツ」では全米映画批評家協会賞の助演女優賞を受賞した。その他の出演作には、94年「バッド・ガールズ」、99年「将軍の娘/エリザベス・キャンベル」、01年「クローン」など

Bary Pepper
 1970年カナダのブリティッシュ・コロンビア生まれ。 バンクーバー・アクターズ・シアターズ・スタジオ二酸化して役者を目指す。 92年TVムービー「A Killer Among Friends」からプロとしての活動を開始。 映画デビューは93年の「Johnny's Girl」。 96年「ファイアー・ストーム」、97年「エネミー・オブ・アメリカ」を経て、狙撃手ジャクソンを演じた98年「プライベート・ライアン」で脚光を浴びた。 その後、00年『グリーン・マイル』、「バトルフィールド・アース」でも印象的な助演ぶりを見せた。

The Director


 監督のランダル・ウォレスは作詞家を経て、小説の世界に入り、1980年に処女作を発表後何冊かの小説を出版し、その後脚本家として進出。 映画監督デビュー作はメル・ギブソン主演の「ブレイブ・ハート」。 映画脚本家としてのデビューとなる本作「ワンス・フォー・エバーアカデミー賞とゴールデングローブ賞 のこうほにあがり、アメリカ脚本家組合賞を受賞。

Production Note

 本作の舞台となるイア・ドラン谷は、ベトナムの中央高地に位置する草木のほとんど生えていない地域だ。 この場所を再現するため、ロケ地の物色をはじめ中部カリフォルニアのフォーとハンター・リゲットに決めた。 そして、5千ポンドの種と同量の肥料を全面にまいた。さらにブナやアメリカスズカケノキを中心とする、5600本の木を運びベトナムにある植物を育てながら、ベトナム中央高地を作っていった。

 メル・ギブソン、バリー・ペッパーをはじめとする俳優たちは、クランクインの前に、ムーア中佐の航空騎兵連隊が1965年に訓練を行ったジョージア州フォーと・ベニングで2週間を過ごした。 彼らは独身将校宿舎に滞在し、その場所でハル・ムーア、ジョー・ギャロウェイ、ベイジル・ブラムリーといった実在のヒーローたちとともに過ごし、戦闘シーンに必要な訓練を受けた。

 

鑑賞後の一言
 数々の戦争映画を観ているが、常に残酷で悲劇な現実を見せ付けられ心が痛む。 この映画は特に、実在の人間が目にしてきた事を実話に基づいて映画化したということで、よりリアルさが伝わってくる。 また、この映画ではイントロダクションにも書いてあるが、いやおうなく戦場に向かわせられる男の家族の悲しみを取り上げている。 タクシーがその家族の家の前に止まる。それは戦死したことを伝える訃報の電報が届くと言う事。 この映画でも涙してしまいました。


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