オールド・ルーキー

I n t r o d u c t i o n

　本作品は、35歳にして米メジャーリーグの史上最年長ルーキーとなった実在の人物ジム・モリス（James Samuel Morris）と、彼の夢をささえた家族の絆を描く感動作だ。全米ベストセラーになったモリスの自伝「The Oldest Rookie」を映画化したもので、本人も作品へのアドバイザーとして参加しているほか、カメオ出演もしている。

　モリスは、マイナー・リーグのフロリダ・オーランドーズを振り出しに、ノース・カロライナ・ダーハム・ブルズ、そしてメジャーリーグのタンパ・ベイ・デヴィル・レイズへと2年足らずで昇りつめ、幼い頃からの夢を実現させた。時速100 マイル（約 161 km）という好コントロールの速球を投げてチームの勝利に貢献したが肘の故障が悪化し、2000年11月、デヴィル・レイズを解雇される。その後ロサンゼルス・ドジャーズに移籍するも間もなくして引退した。本作品の原作は、モリスがドジャーズ在籍中に執筆されたものである

上映時間：　2時間７分
制作国　：　アメリカ
日本公開：　2003.1.18
原　　題　：　The Rookie
原　　作　：　ジム・モリス/ジョエル・エンゲル著『オールド・ルーキー』(文藝春秋刊)

Profile of Hero／Heroin

　
Dennis Quaid

　1953年4月9日、テキサス州ヒューストン生まれ。俳優である兄ランディの影響で高校時代から演技の勉強を始め、ヒューストン大学では演劇を専攻。さまざまな仕事を転々とした後、ロサンゼルスに向かい、「ヤング・ゼネレーション」（79）の自転車選手役で映画界でも認められた。以後、「熱き愛に時は流れて」（88）と「エニイ･ギブン・サンデー」（99）ではフットボールの選手、「ザ・ファイト」（83）ではボクサーと、運動選手の役も多い。また、感動作「愛と哀しみの旅路」（90）や戦争映画「セイヴィア」（98）ではヒューマンな演技力を見せ、スポーツ映画からシリアス・ドラマまで幅広いジャンルで活躍。その他の出演作に「ロング・ライダース」（80）、「ライトスタッフ」（83）、「インナースペース」（87）、「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」（89）、「ハリウッドにくちづけ」（90）、「ワイアット・アープ」（94）、「愛に迷った時」（95）、「ドラゴンハート」（96）、「ファミリー・ゲーム/双子の天使」（98）、「オーロラの彼方へ」（2000）、「トラフィック」（2000）等がある。
　　　　　　　　　　　　　　

Rachel Griffiths

　1968年オーストラリアのメルボルン出身。ヴィクトリア・カレッジで演劇とダンスを専攻。その後は、メルボルンとシドニーの舞台に立つ。映画は９４年の「ミュリエルの結婚」でオーストラリア映画批評家協会賞助演女優賞を受賞。また、98年の「ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ」ではヒロインの姉を演じてアカデミー助演女優賞候補となった実力派女優で、その他の主な作品に「べスト・フレンズ・ウェディング」（1997)、「エイミー」（97）、「ディボーシング・ジャック」（98）、「ブロウ」（2001）、「シャンプー台の向こうに」（2001）などがある。
　

The Director

　監督のジョン・リー・ハンコックは1957年、テキサス州生まれ。。ヒューストンの法律事務所で4年間、弁護士として活躍した後、エンタテインメント業界に進み、製作コーディネーターや助監督をつとめる。93年にクリント・イーストウッド監督、ケビン・コスナー主演の「パーフェクト・ワールド」の脚本を手がけて注目され、脚本家として同じイーストウッド監督の「真夜中のサバナ」（97）にも参加。93年にトム・エヴェレット主演の“Hard　Time Romance”で監督デビュー。また、2000年にはケヴィン・ベーコン出演の「マイ・ドッグ・スキップ」では製作を担当。テレビ映画はＣＢＳドラマの“L.A . Doctors”（９８）では原案・製作・監督、“Falcone”（2000）では製作総指揮・監督を担当。舞台の世界では、ブランドン・リーとリーガル・エイリアンズ・シアター・カンパニーをＬ．Ａ．に設立している。
　　　　　　　　　　　　　　　

Production Note

　ジム・モリスの著書「The Oldest Rookie」（『オールド・ルーキー　先生は大リーガーになった』文藝春秋・刊）は2001年に刊行され、全米で大ベストセラーを記録。その奇跡のドラマは今、スクリーンの中で新たなる感動を呼ぶ──。

　実在のモデル、ジム・モリスは1982年、ハイスクール卒業後アマチュア・ドラフトでヤンキースの選手に指名される。その後、ミルウォーキー・ブリュワーズとシカゴ・ホワイト・ソックス傘下のマイナーチームでプレイを続けるが、結局メジャーに昇格することなく、89年に肩の故障により選手としての道を断念。その後、テキサスのビッグ・レイクで高校の化学の教師になる。そして、彼がコーチをひきうけた高校の野球チーム“アウルズ”が地区優勝をはたした時、メジャーリーグへの夢が再びよみがえる。自分たちのチームが優勝したら、プロの入団テストを受ける約束を生徒たちとかわしてしまったからだ。約束を守り1999年に入団テストを受けたモリスは、156キロから160キロというプロの選手としても最高級の剛速球を投げてみせ、周囲を驚かせる。こうして、35歳で再びプロの選手となり、ダブルA（オーランド）、トリプルA（ダ－ラム）といったマイナーリーグを経て、95年に結成されたばかりの新興メジャー球団、タンパベイ・デビルレイズとメジャー契約を交わす。初登板となった99年9月18日。テキサス・レンジャーズとの試合にのぞむが、メジャーリーグに８シーズン在籍し、オールスターにも選ばれたこともあるレンジャーズの強打者、ロイス・クレイトンを相手に、モリスは見事、三振をとってみせた。彼の鮮烈なデビューは、過去40年間のメジャーリーグ界の歴史でも最年長のルーキーとして話題を呼び、「スポーツ・イラストレイテッド」や「ロサンゼルス・タイムズ」などのメディアで華々しく掲載された。
　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）