3月の映画−3

鑑賞日: 2003.3.17
ノー・グッド・シングス


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生き残る女には何かある

I n t r o d u c t i o n 


 ハードボイルド作家ダシール・ハメットの短編小説『ターク通りの家』をサミュエル・L・ジャクソン、ミラ・ジョヴォヴィッチ共演で映画化したクライム・サスペンス。ふとした偶然から周到に練られた強盗計画が破綻していくさまと、図らずも事件に巻き込まれたひとりの刑事がギャング一味の美女に翻弄されていく姿をスタイリッシュに描く。監督は「ファイブ・イージー・ピーセス」のボブ・ラフェルソン。

 チェロと孤独を愛する窃盗課の刑事ジャックは、糖尿病を患いインシュリンが欠かせない。彼はこの日、隣人に頼まれ家出娘を捜索することに。そして、ターク通りへとやって来たところでジャックは足を滑らせた老女を助け起こす。そのまま老女の家に招かれたジャックは、彼女の夫との会話の中で自分の職業に触れたところ、突然何者かに殴られ意識を失ってしまう。意識を取り戻したジャックは目の前にいる強盗団に、捜査に来た警官と勘違いされて椅子に縛り付けられていた。強盗団一味はジャックの見張り役として美女エリンを残し計画の実行に向かうのだったが…。


上映時間: 1時間37分
制作国 : アメリカ 2002年
日本公開: 2003. 3. 8
原  題 : NO GOOD DEED
原  作 : コンチネンタル・オプの事件簿『ターク通りの家』


 

C a s t  &  S t a f f

 ミラ・ジョヴォヴィッチ ・・ (タイロンの情婦 エリン
 サミュエル・エル・ジャクソン ・・・・・ (刑事 ジャック・フライヤ)
 ステラン・スカルスゲールド ・・・・・・ (銀行詐欺のリーダー タイロン)
 ダグ・ハッチソン ・・・・・・・・・・・・・・・ (タイロンの仲間 フープ)
 ジョス・アックランド ・・・・・・・・・・・・・ (タイロンの仲間 クオレル)


 監督/ ボブ・ラフェルソン

 

Profile of HeroHeroin

 
Milla Jovovich


 1975年、ウクライナのキエフ生まれ。母親はロシアの著名な女優、父親はユーゴスラヴィア人医師。5歳の時、家族とともにカリフォルニア州サクラメントに移住。 11歳の時からモデルの仕事を始め、同じ年、『トゥー・ムーン』(’88年)でシェリリン・フェンの妹を演じて映画デビュー。『ブルー・ラグーン』(’91年)では15歳のセミヌードが話題を呼んだ。『フィフス・エレメント』(’97年)では異星人リールー役を演じて高評を得る。『ジャンヌ・ダルク』(’99年)ではかつてイングリッド・バーグマンやジーン・セバーグといった銀幕の大物スターが演じた聖女役に挑戦。最近作には『ミリオンダラー・ホテル』(’00年)、『The Claim』(’00年)、『Zoolander』(’01年)、『You Stupid Man』(’01年)がある。最新作はインディペンデント映画『Dummy』(’01年)とボブ・ラフェルソン監督の『No Good Deed』(’02年)。
         

Samuel L Jackson


アトランタのモアハウス・カレッジで演劇を専攻。76年、NYに移り映画の端役やCMに出演。ニグロ・アンサンブル・カンパニーなど、多くの舞台で経験を積む。81年「ラグタイム」で映画デビュー。88年の「スクール・デイズ」以降、スパイク・リー作品の常連となり、91年、「ジャングル・フィーバー」でカンヌ映画祭助演賞を受賞。「ジュラシック・パーク」を経て94年、「パルプ・フィクション」で一気に注目され、「ダイ・ハード3」でその地位を確立させた。その後も「評決のとき」、「ジャッキー・ブラウン」と話題作にも出演。「交渉人」ではケヴィン・スペイシーを相手に堂々たる演技で実力も付けてきた。最近は「黒いジャガー」のリメイク、「シャフト」でフット・ワークも軽やかにのびのびとした演技が印象に残る。80年、女優のラターニャ・リチャードソンと結婚。一女をもうける。

The Director


 監督のボブ・ラフェルソンは1933年ニューヨーク生まれ。TVドラマ『ザ・モンキーズ』の製作を手がけ68年『ザ・モンキーズHead! 恋の合い言葉』で映画デビュー。69年『イージー・ライシダー』、70年『ファイブ・イージー・ピーセス』、71年『ラスト・ショー』などのアメリカン・ニューシネマを代表する作品を生み出した。他に81年『郵便配達は二度ベルを鳴らす』、89年『愛と野望のナイル』、92年『お気に召すまま』などがある。
               

Production Note

 サミュエル・L・ジャクソンは、「まずストーリーに惹かれた。しかも演じるキャラクターの設定がユニークだ。縛られた状態の中、視線や言葉、雰囲気だけでヒロインとの関係を築くのは一つの挑戦だったし、僕の好きなチェロを弾けば糖尿病でもある。こういう役は演じないと後悔する。」

 ミラ・ジョヴォヴィッチも、「凄く豪華な顔ぶれでしょう。以前『奇跡の海』を観たとき、なぜかステラン・スカルスゲールドと共演する予感がしたんだけど、こうして実現したし、監督が『郵便配達は二度ベルを鳴らす』や『ファイブ・イージー・ピーセス』を撮った人と知らされて、一緒に仕事ができるなんて夢のようだと思ったわ。」

            (以上 パンフレットその他から引用)

 

鑑賞後の一言
 ミラ・ジョヴォヴィッチは、以前の映画『ジャンヌ・ダルク』や、『バイオ・ハザード』などでは男っぽい役柄が似合う女優だったが、前作の『めぐり逢う大地』でも、本作でも容姿的にはそれほどでもないのに、演技で女性の色気を出すのがうまい不思議な魅力を持つ女優だと思う。  サミュエル・エル・ジャクソンは最後にようやく知的な行動で事件を解決していくが、全体的にはらしくない感じである。作品的にはいまいちの感が否めない。


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