アメリ

I n t r o d u c t i o n

よい香りのする映画。　この香りは人を幸せにしてくれる。　幸せがまた感動を生む。

２００１年上半期のフランス映画の中で、あらゆる意味で最も話題になった作品、それが『アメリ』。　公開数ヶ月を過ぎても話題は収まらずロングラン・ヒットを続けている。　映画の評判を聞いてシラク大統領やジョスパン首相までもが鑑賞した。　『アメリ』はそれだけ多くの人に愛された。　その一番の理由は、情緒あふれるモンマルトルを舞台にしたこのチャーミングなコメディーが観客を温かな気分に誘うから。　登場するキャラクターは恵まれた人達でなく内気で人と深いつながりが持てないヒロイン、孤独な１人暮らしの老人、売れない作家、偏執的で女に嫌われる中年男。　言ってみれば一般大半の人々と同じ陽の目を浴びる事のない連中。　だがそんな彼らが奏でる昔ながらの人情味に満ちた物語、なにより他人の人生を明るくする事を密やかな楽しみとするヒロイン－アメリの憎めないいたずらぶりと、清爽としたラストには、誰もが心地よい余韻を抱くに違いない。

C a s t & S t a f f

　オドレイ・トトゥ　・・・・・・・・・・・・・・　（アメリ・プーラン）
　マチュー・カソヴィッツ　・・・・・・・・・・・・　（アメリと恋する青年　ニノ）
　リュフュス　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　（アメリの父）
　クレール・モーリエ　・・・・・・・・・・・・・・・　（カフェの女主人　シュザンヌ）
　ドミニク・ピノン　・・・・・・・・・・・・・・・・・・　（カフェの常連客　ジョゼフ）

　監督／ジャン・ピエール・ジュネ

Profile of Hero／Heroin

Audrey Tautou

1978年フランス生まれ。　『エステサロン／ヴィーナス・ビューティー』にて２０００年度セザール賞有望若手女優賞を受賞。今最も注目されるフランス若手女優。　２００１年５月にはスイスの高級宝飾時計ブランド『ショパール』が、最も期待される女優に贈っているショパール賞を受賞。最新作はセドリック・クラピッシュ監督の”Ｌ　ａｕｂｅｒｇ　Ｅｓｐａｇｎｏｌｅ”でロマン・デュリスの恋人を演じている。

Director

監督のジャン・ピエール・ジュネは１９５３年フランス生まれ。ビデオクリップやＣＭ作家として活躍後”Ｌ’ＥＶＡＳＩＯＮ”（78）で監督デビュー。主な監督作品は９１年『デリカテッセン』、９５年『ロスト・チルドレン』、９７年『エイリアン４』。ハリウッドで大ヒットのエイリアン４の後、パリに戻り、約４年の沈黙を破っての待望の最新作である。

Production Note

撮影はセット撮影はなく全てロケで撮影された。監督は外を走る地下鉄、記念碑、階段、石造りの館などパリを描いた作家タルディの絵に近づけたかった。　通りから車を排除し、壁に残っていた落書きを消し、用意したポスターを貼った。

カフェのロケ地はアラブ人経営の食料品店をリフォームした。　今はとても素敵な店構えになって、あそこの主人の生活も完全に変わった。　洗練された店になり、店名も映画と同じ”アリの店”とする事になった。店のそばには花もいっぱい咲いていて、あの街一帯の生活が変化したという。

(以上プログラムその他より引用)

鑑賞後の一言

一度仕事の帰りに見てみようと３０分ほど前に映画館に出かけたが、既に相当並んでいて、今から並んでも立ち見になるという。　ミニシアター作品だが、評判の映画らしく人気がある。　日を改めて休日の朝一番の回に並び２階席の一番前で見たが、ほぼ満席で、終わって出る時には次の回に並ぶ人がまた長蛇の列であった。　久しぶりに見たフラン映画で、内気で小さい頃から学校にも行かず、人とつながりが持てなかったヒロインのいたずらっぽい大きな目が、とてもかわいく、印象的だった。　フランス語特有の響きとユーモアたっぷりの温かみのある映画で、ハリウッド映画とは異なる感じの映画で気持ちのよい感覚で映画を観終えた。