アバウト　シュミット

I n t r o d u c t i o n

　　仕事一筋のまじめで平凡な一人の男が、定年退職を機に第２の人生を歩む姿をユーモアとペーソスを織り交ぜて描くヒューマン・ドラマ。人生の終盤を迎えて大きな転機に直面し孤独と戸惑いを見せる主人公の悲哀を名優ジャック・ニコルソンがみごとに表現。監督は「ハイスクール白書　優等生ギャルに気をつけろ！」の新鋭アレクサンダー・ペイン。
　アメリカ中西部オマハ。この日、勤め先の保険会社で定年退職の日を迎える66歳のウォーレン・シュミット。彼はこれまで妻ヘレンと今は離れて暮らす娘ジーニーと共に、平凡だが特に不満のない人生を送ってきた。そして次の日から新たな人生を歩むことになる。しかし、翌朝目覚めてみると、シュミットは会社中心の生活リズムが染みついていたせいか手持ち無沙汰になる日々が続いた。そんなある日、妻ヘレンが急死する。そして葬儀の準備に追われるシュミットのもとへ、愛娘ジーニーが婚約者ランドールを伴い戻ってくるのだった…。

上映時間：　２時間５分
制作国　：　アメリカ　２００２年
日本公開：　2003. 5. 24
原　　題　： About Schmidt
原　　作　：

Profile of Hero／Heroin

　
Jack Nicholson
１９３７年アメリカ／ニュージャージー州ネプチューン生まれ。１７歳で母、ジェーンとカリフォルニアに渡り、ＭＧＭに入社。動画部門などで働く。やがて演技の勉強を始め５８年、“Cry Baby Killer”で映画デビュー。以後、ロジャー・コーマンの下で映画制作に参加。役者、脚本、製作者など映画に関するさまざまな仕事を学ぶ。６９年、「イージー・ライダー」でアカデミー助演男優賞にノミネートされ注目され、現在まで主演、助演賞でノミネートされること合計１１回。７５年の「カッコーの巣の上で」と９７年の「恋愛小説家」で主演男優賞受賞。８３年、「愛と追憶の日々」で助演男優賞受賞と燦々たる成績を残す。

Kathy Bates
１９４８年アメリカ／テネシー州メンフィス生まれ。　ダラスの南メソジアス大学卒業後ワシントンなどで舞台に出演。７１年、「パパ／ずれてるゥ！」の端役で映画デビュー（この作品では挿入歌“馬にさえも翼があった”の作曲も担当）。しかしその後舞台を活動の場としてオフ・ブロードウェイで活躍。後に映画化された「恋のためらい／フランキーとジョニー」の舞台ではヒロインを演じてオビー賞を受賞した。８０年にはブロードウェイにも進出、８３年にはトニー賞に選ばれたりもした。以降は映画界に戻って主に脇役として活躍後の９０年。「ミザリー」の熱演でアカデミーとゴールデングローブ賞の主演賞を受賞。翌年には名優ジェシカ・タンディと「フライド・グリーン・トマト」で共演し、性格俳優としての地位を確立させた

Dermot Mulroney
1963年、アメリカ／ヴァージニア州アレキサンドリア生まれ。高校時代はシティ・ユース・オーケストラでチェロを演奏。ノース・ウェスタン大学で映画、演劇、音楽を学び、卒業後にＴＶＭを経て「ヤングガン」で映画デビュー。「ロングタイム・コンパニオン」や「ハートブレイク・タウン」と言ったインディーズ系作品に出演後、「アサシン」、「バッド・ガールズ」、「コピーキャット」に「ベスト・フレンズ・ウェディング」と話題作に出演して注目を集め始めている。

The Director

　監督のアレクサンダー・ペインは６１年アメリカ、ネブラスカ州オマハ生まれ。　ＵＣＬＡで映画製作の文学修士号を取得。卒業作品の『The Passion of Martin』は９１年のサンダンス映画祭やその他２０を超える映画祭において多くの賞を獲得。映画デビューは『Citizen Ruth』（96)。この作品はミュンヘン映画祭で最優秀賞を獲得、主演のローラ・ダーンはモントリオール映画祭で主演女優賞を受賞。その後製作した『ハイスクール白書　優等生ギャルに気をつけろ！』（99)は、彼とその脚本パートナーであるジム・テイラーにライターズ・ギルド賞、ニューヨーク・フィルム批評家協会賞、インディペンデント・スピリッツ賞の最優秀脚本賞をもたらした。さらにインディペンデント・スピリッツ賞では最優秀映画賞を獲得し、ペイン自身も最優秀監督賞を受賞した。

Production Note

プロデューサーのハリー・ギテスはジャック・ニコルソンの演技をこう称える。「この映画の彼を見たら友人だってビックリするだろう。シュミットは、今まで誰も見たことがないジャックなんだ」。またペイン監督はこうコメントする。「演技をしていると、顔にさざ波のように想いがよぎるのが見える。瞬きの一つ一つや一瞥さえ何かの意味を持つんだ。そんな瞬間の積み重ねが、彼の演技に偉大な複雑さを与えている」。

シュミットの娘婿の母ロバータ役はキャシー・ベイツ。彼女はシュミットの感受性にダイレクトな挑戦を挑むキャラクターだ。「ジャックを苛立たせることができるのは誰か？即座に彼女が浮かんだ」とプロデューサーのマイケル・ベスマン。ハリー・ギテスも同意する。「彼女は驚くべき女優。僕たちは本当にラッキーだった」。さらに脚本のクオリティの高さが、魅力的な俳優たちを惹きつけた。「とっておきのものだったから、数ヶ月間監督を追い回したの」とジーニー役のホープ・デイヴィス。ランドール役のダーモット・マルロニーは交渉が完結する前に、役になりきるため髪を剃ってしまった。

　　　　　　　　　　　　（以上　パンフレットその他から引用）